友達イジメ
後ずさりして逃げようとするコトリの腕をサチが掴んで制止した。


「ほら、1人1人にちゃんと見てもらいなよ」


そう言い、あたしは1人の男子生徒をコトリの目の前へ押し出した。


「どう? なにも隠してない?」


そう聞くと、男子生徒は顔を真っ赤にしてゴクリと生唾を飲み込んだ。


「どうかな? ちょっと、よくわからない」


そう言ってコトネの後方へ回りジロジロと眺めまわす。


「それなら俺もちゃんと見てやるよ」


「そうだな。それで潔白が証明できるなら、いいだろ?」


次から次へと男子生徒たちが近づいて来て、コトネの周りにはあっという間に人だかりができていた。


あたしはその様子も写真に収めた。


まるで、コトリが何人もの男子生徒を相手にしているように見える。


あとは1年生たちが好きにするだろう。


「そろそろ帰ろうか」


あたしはそう言い、教室を出たのだった。
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