友達イジメ
☆☆☆

放課後になり、1年の昇降口へ向かおうとした時だった。


今日は少し早目にホームルームが終ったのか2年の廊下にコトネが立っているのが見えた。


もしかしてあたしたちを待っていたのだろうか?


そう思った時だった。


B組の教室のドアが開き、ユウジが出て来たのだ。


コトネはユウジの姿しか目に入っていないようで、すぐに近づいて行く。


「お願い! あたしのころと信じて!」


ひと目もはばからず大きな声でそう言い、ユウジの腕を掴むコトネ。


しかし、ユウジは表情を1つも変えずにコトネを見下ろしている。


その表情は見たことがないくらい、冷たいものだった。


「お前のことは信用できない」


キッパリと言い切ったユウジに、思わずニヤケてしまうあたし。


きっと、1年A組でコトネの悪口を散々聞かされたのだろう。


「みんなが言ってることなんて嘘なの! あたしはなにもしてない!」
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