友達イジメ
すると今度は手のグーにして開かない。


往生際の悪さに舌打ちをしたくなった。


「暴れると変なところが切れちゃうよ?」


サチはそう言い、わざとリカコの指に爪切りを押し当てた。


「嫌っ!」


爪きりならそんなに大きな傷はできないが、脅されたリカコは青ざめて手の力を抜いた。


「そうそう。あたしたちはリカコのためを思ってやってるんだからね?」


クスクスと笑いながらリカコの爪に爪切りを当てるサチ。


次の瞬間、パチンッと音がしたリカコの爪が落ちていた。


随分と爪の奥まで押し込んで切ったようで、血が滲んで出て来た。


それを見ているとこらえきれなくて笑ってしまった。
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