友達イジメ
悲鳴
言葉通り校舎から出たあたしたちだったが、会話をする気なんてなかった。


サチを筆頭にして移動してきた先は、旧体育館倉庫だった。


体育館とは少し離れた場所にある木造の建物で、中には使われなくなった道具が詰め込まれている。


ちゃんとした鍵もついておらず、戸を閉めるためには外からつっかえ棒をするしかなかった。


でも、その構造はあたしたちにとって好都合だった。


スズが手際よく倉庫のドアを開け、サチがコトネの体を押し込んだ。


「ちょっと……!」


そんな声が聞こえて来るより先にドアを閉め、つっかえ棒をする。


「なにするの! 開けて!」


叫びながらドアを叩いているが、意外と頑丈なドアはそのくらいじゃビクともしない。


「あはは! めっちゃ焦ってんじゃん」


中から聞こえて来る声いスズが笑う。


「この倉庫の中は電気がないし、窓のないから真っ暗だよ」


自信満々にそう言うサチ。


暗闇なら不安も倍増していることだろう。

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