友達イジメ
「出してあげようか？」


「お、お願い！」


「わかった」


そう答えてつっかえ棒が外されると、中からコトネが転がるように飛び出して来た。


相当怖かったようで、その体は小刻みに震えている。


「ねぇ、あんたさぁなんで２年生に手ぇ出したりしたの？」


その質問にコトネは勢いよく顔を上げた。


頬には涙の跡がクッキリと残っている。


「あたしはなにもしてない！」


「なにもしてないのに、こんなことになるわけないじゃん」


「でも、なにもしてない！」


コトネは必死に訴えかけるが、４人組がそれを信用しているとは思えなかった。


「まぁいいや。とにかくさ、ここであんたをイジメておけばあたし達の株も上がるかもしれないんだよね」


「え……？」


ようやく倉庫から解放されたコトネが、サッと青ざめた。


なんだかおもしろい展開だ。


あたしはベッドの上に座って動画の続きを確認した。
< 145 / 290 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop