友達イジメ
「そんなの気にし過ぎだよ、スズはいろんな小説を読んで来たから、最悪のパターンを想像してるだけだって」


あたしはそう言って笑顔を見せた。


「そうかな……」


「そうだよ。呪いに期限なんてない。あたしたちがしたことは、絶対にバレない」


「それはそれで、怖いよね」


スズはどこか怯えた表情でそう言った。


「怖いって、どうして?」


サチが首を傾げて聞く。


「だって、もしあたしたちの誰かがイジメられるようになって、ウサギ小屋で自殺しても、それは事故とかで処理されるんだよ?」


確かに、自分たちの実に降りかかるかもしれないと思うと少しは怖いかもしれない。


だけど……あたしはスズの不安を打ち消すように大きな声で笑った。


「あたしたちのことを、一体誰がイジメるっていうの?」


「わかんないじゃん、これから先の事なんて」


「わかるよ? あたしたちはクラスカーストトップで誰も反発してこない。だから、イジメられることなんてない」


「アキコの言う通りだよ。今はそんなつまんない話より、コトネイジメについて話そうよ」


サチも、あたしと同じように笑いながらそう言ったのだった。
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