友達イジメ
「全部の指を綺麗にしてあげるからね」


パチンッパチンッ。


次々に深爪して行き、リカコの指は血が滲んで行く。


これじゃペンを持つのだって大変そうだ。


服のボタンなんて、指先が痛くて仕方ないだろう。


「ほぉら! できた!」


最後の小指までキチンと丁寧に切って、ようやくリカコは解放された。


「ぷっ! あはははは!」


両手とも指先から血を滲ませて呆然としているリカコ。


その様子があまりにおかしくて笑いが止まらなくなってしまった。


そのタイミングで休憩時間の終わりを告げるチャイムが鳴り始めた。


「あ~あ、楽しかったね。今度はなにしようかなぁ」


1人教室を出て行くリカコを尻目にあたしはそう呟いたのだった。
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