友達イジメ
☆☆☆

1年A組の教室は騒がしかった。


教室のドアの前で立ち聞きしていると、昨日コトネが死んだと言う話で盛り上がっているみたいだ。


「あの子、外面だけはよかったから誰かに恨まれてたんじゃない?」


「あり得る~! いろんな男子と関係持ってたらしいじゃん? だから死んだんだよ」


「ちょっと可愛いからって調子に乗ってるから死ぬんだよね」


女子たちはそんな会話をして笑い声まで聞こえて来た。


だけど、コトネをイジメていたという内容の話声は聞こえてこない。


コトネは元々こんなにも嫌われていたというだけみたいだ。


「あんたたち、誰?」


そんな声がして顔を上げると、あの4人組が登校してきたところだった。


「あ……えーっと」


4人はあたしとスズを睨み付けるようにして見ている。


あたしたちが関与していたという記憶はきれいさっぱり消えてくれたようだ。


「別に、なんでもない」


あたしはそう言い、スズと2人で逃げるように1年のクラスから離れたのだった。

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