友達イジメ
「そっか。じゃあ、誰かターゲットを決めないとね」


あたしは小声になってそう言った。


スズも小さく頷く。


今度は同じクラスの子がいい。


学年が違うと行ったり来たりしなきゃいけなくて、コトネの時は大変だったから。


中でも大人しい感じの子じゃないと、イジメにくくなってしまうし、相手の人選は大切だった。


2人で教室内を見回していると、教室前方のドアが大きく開かれた。


肩で深呼吸を繰り返すサチが立っていて、あたしたちへ向けて大股で歩いてくる。


「サチ、どうしたの? てっきりもっと遅くなると思ってたんだけど」


ホームルームまであと10分くらいはある。


「当たった」


あたしの席の前で立ちどまり、サチは唖然とした表情でそう言った。


「え?」


スズが眉を寄せて聞き返す。
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