友達イジメ
あたしはわざとそう言い、ため息を吐きだして見せた。


スズの目の色が一瞬にして変わる。


「え?」


「だって、小説家ってもっと奇抜なアイデアを持ってると思うじゃん? それなのに、落書きとか、体操着を捨てるとか。まるで小学生みたい」


「わかる~。高校生がやるイジメじゃないよね」


サチがあたしの言葉に乗ってきた。


スズの表情は徐々に険しくなっていく。


「あたしだって、おもしろいイジメ方を考えられるよ!」


勢いよく立ち上がり、そう言い切ったスズ。


あたしとサチは目を見交わせて笑った。


「そうだよね。スズの小説は面白いもん。期待してるよ」


「まかせて!」


スズはそう言い、大股で歩いて行ってしまったのだった。
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