友達イジメ
☆☆☆

それから放課後になるまで、スズはずっと何かの小説を読んでいた。


イジメの続きをしないのか気になったけれど、スズがあまりにも真剣に読書をしているから声をかけられなかったくらいだ。


放課後になってからもスズはあたしたちに見向きもせず、そのまま帰って行ってしまった。


「スズ、何の本読んでたんだろう？」


帰る準備をしながらサチにそう聞くと「オカルト系の本だったよ」と、サチが教えてくれた。


「オカルト？　まさかカオリさんについてなにか調べてるとか？」


「そういう感じでもなかったと思うけどなぁ？」


そんな会話をしている間に、ターゲットのマキもさっさと帰って行ってしまった。


今日のイジメはこれで終わりだ。


つまらなくてため息が漏れた。


「今日はユウジの練習を見てから帰ろうかな」


「そうしなよ。あたしも早く帰らないといけないし」


サチはそう言い、教室を出て行ったのだった。
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