友達イジメ
驚いてそう聞くと「体育の着替えの時」と、スズが言った。


「更衣室のロッカーの中にスマホを置いて、戸を少しだけ開けて撮影した」


「さすがスズだね」


サチは驚きながらも感心したようにそう言った。


まさか、あたしたちも気が付かない間に盗撮していたなんて、思わなかった。


そうこうしている間にマキが小走りにやってきた。


あたしたち3人を見つけて、ひきつった笑顔を浮かべている。


「よ、用事ってなに?」


立ちどまったマキがスズへ向けてそう聞いた。


「こっち」


スズは何も説明することなく、先頭に立って歩き出したのだった。
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