友達イジメ
それに、このイジメに成功すれば記憶は書き換えられるから、心配ないという思いもあった。


「やだ……やめて!!」


片目だけになってしまったマキが迫りくるスズから逃げようと、後ずさりをする。


「お願い、助けて!」


片目から涙をこぼしながら訴えかけてくるマキ。


あたしはその言葉を無視してスズへ視線を向けた。


片手にニッパーを持ったスズはマキの目の前まで移動して来ている。


マキは痛みと恐怖でそれ以上体が動かないようで、イヤイヤと左右に首をふるばかりだ。


「えっと、ハンカチハンカチ」


スズは日常の一コマと変わらない動きでハンカチを取り出し、それをマキの口にねじ込んだ。


無理矢理口をこじ開けられる形になったマキ。


「じゃあ、一本ずつね」


スズはそう言い、マキの前歯をニッパーで挟んだ。


その瞬間、マキがスズの体を押しのけていた。

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