友達イジメ
スズは短く返事をしながらも、すごく嬉しそうだ。


「これ、本当にすごいよ! 本当にプロになったんじゃん!」


「えへへ。まだ、これからが大変なんだけどね」


「なに言ってんの、小説家でデビューできる人なんて、すごく少ないんだからね!」


あたしたちのさわぎを聞きつけて、クラスメートたちが近づいて来た。


「なに? 小説書いてたの?」


「嘘! 受賞してんじゃん!」


「スズってすごい人だったんだね!」


次々とかけられる言葉に、スズは満面の笑みを浮かべる。


「これで、全員分の願いが叶ったね」


あたしはサチへ向けてそう言ったのだった。

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