友達イジメ
☆☆☆

あたしたち3人はカオリさんの呪いのおかげですべてが順調に進んでいた。


呪と言えば怖いイメージしかなかったけれど、カオリさんは違う。


あたしたちにとって神様みたいな存在だった。


「ねぇ、あの時スズが何の本を読んでたか聞いた?」


休憩時間中、サチと2人でジュースを買うために教室を出た時、そう質問された。


「あの時?」


「そう。マキイジメが生ぬるいって言った後」


そう言えばスズはなにかの本を読んで、それから廃墟へ向かったんだっけ。


「ホラーだって言ってなかった?」


「そうなんだけど、サイコパスが主人公の本だったみたい」


「あ……」


だからあんな拷問を加え始めたんだ。


あたしたちが小説家を目指しているくせに、想像力がないとか言ったから。


マキへの拷問現場を思い出すと、途端に吐き気が込み上げて来る。


あれの原因が自分たちにあったなんて、考えてもいなかった。


「まぁいいじゃん。結果的に上手く行ったんだからさ」


「まぁね。スズって単純だなぁと思って」


そう言ってサチが笑う。

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