友達イジメ
☆☆☆

「ヨシキ、どうする?」


自販機からの帰りの廊下でサチがそう聞いて来た。


「無視しとくのは得策じゃないよね」


あたしはそう返事をしてパックのオレンジジュースに口を付けた。


手紙の内容は消されているし、ヨシキの記憶も消えている。


それでもあれだけリカコの死を疑問視しているのだから、ほっとくわけにはいかないだろう。


「次のターゲットにしてみる?」


サチの言葉にあたしは一瞬目を丸くした。


イジメのターゲットに男子生徒を選ぶのは賢い選択じゃない。


一対一になったときに力では負けてしまうから、反撃される可能性が高い。


「ヨシキが、そんなに簡単にイジメられてくれると思う?」


見ている限り、そこまで弱い性格をしていない。


やられたらやり返して来そうだ。


「そうかもしれないけど、あたしたちは3人いるじゃん」


サチは本気で言っているようだ。
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