友達イジメ
「これ、リカコのためにさっき頑張って捕まえてきたんだよ」


サチがそう言い、透明ケースをリカコの目の前に突き出した。


リカコの顔が一瞬にして青ざめる。


「嫌……」


そう言って左右に首をふるリカコ。


「あたしたちが用意してあげたのに、食べられないっていうの?」


あたしはそう言いながらリカコの両腕を背中に回して固定した。


「やめて! それだけは、お願いだから!」


必死にもがくのであたし1人の力じゃ押さえつけているのもやっとだ。


すぐにスズがリカコの頬を叩いて黙らせた。


「大丈夫だって。1匹食べたくらいじゃ死なないから」


サチは笑いながらそう言い、リカコの口の前で箱を空けた。


中のゴキブリは大慌てで外へ這い出してきて、リカコの口の上に乗った。


「キャァ!!」


リカコが叫んだ瞬間、ゴキブリが口の中へと移動した。

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