友達イジメ
「そうだよね。ってかスズ、最近休憩時間に本読んでることが多いね?」


「うん。家に帰ったら原稿があるから、なかなか読書できないんだよね」


スズはそう言って眠そうに目をこすった。


学業と作家の両立はなかなか難しいみたいだ。


「一冊ドカーンと当てて、作家なんてやめちゃえばいいのに」


サチが軽口でそう言い、スズに睨まれている。


「あ、戻って来た」


廊下側の窓から外を確認すると、ヨシキが買い物袋を手に走って戻ってくるのが見えた。


「さすが男子、早いよね」


サチが感心したようにそう言っている。


「買って来たよ」


ヨシキが額に汗を滲ませて買い物袋を差し出して来た。


確かに、頼んだものがちゃんと入っている。


あたしはジュースを取り出し、「もういいよ」と、ヨシキをあしらったのだった。
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