友達イジメ
「そうだよ? 知らなかった?」


「そんな……」


ヨシキは目を丸くしたまま黙り込んでしまった。


なにがそんなにショックなんだろうか。


「もしかして、ヨシキもリカコのことが好きだったとか?」


スズが閃いたようにそう聞いた。


「なに言ってんの。ヨシキは幼女趣味じゃん」


そう言ったのだけれど、ヨシキは真剣な表情のままスズを見つめている。


まさか、本当に?


「リカコは……俺が唯一、ちゃんと好きになった相手だった。リカコと付き合うことができていれば、俺は変われていたかもしれないって、ずっと思ってた……」


「へぇ、そうだったんだ」


でも残念。


リカコはもう死んでしまった。


ヨシキの性癖が変わることはもうないだろう。
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