友達イジメ
「2人で喧嘩するのはやめてよ。せっかくいい気分で戻って来たのに」


あたしはそう言ってため息を吐きだした。


幸せな気分が台無しになってしまう。


「サチもさ、お金が欲しいなら誰かをイジメればいいじゃん。また協力するよ?」


「そうだね……。それなら、あたしはスズをイジメる」


キッパリとそう言い切ったサチにあたしは目を見開いた。


「なに言ってるの? いくら怒ってるからってそんなこと言っちゃダメだよ」


「別に。あたしはイジメられてもそれを作品にするだけ」


スズも負けじと言い返している。


このままじゃ3人の関係が崩れてしまう。


「聞いたアキコ。スズはイジメられてもいいってさ」


「サチもスズもお互いに謝って! あたしたちがイジメ合うなんてありえないから!」


大きな声でそう言うと、ようやく2人は黙ってくれた。


しかし、険悪なムードはずっと続いていたのだった。
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