友達イジメ
☆☆☆

もし、スズをイジメたらどうなるだろうか?


放課後になり、1人で家に帰りながらあたしはそう考えた。


スズは作家デビューしてからちょっとした人気者になっている。


そんなスズの悪い噂なら、きっと誰もが喜んで聞くだろう。


そう考えると、スズをイジメることは意外と簡単かもしれない。


学校内だけじゃなく、ネットを使ってデマを拡散し、スズの作品を買わないように誘導することだってできるかもしれない。


今まで学校内外だけのイジメ方だったけれど、ネットを利用するイジメも面白いんじゃないかな?


主犯格はサチになるし、あたしはそれに加担しただけ。


言い逃れの言い訳を考えておけば、どうにかなるかもしれない。


「ちょっと、面白そうかもね……」


あたしはそう呟いて、ニヤリと口角を上げたのだった。
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