友達イジメ
教室へ入ると、すでにスズは登校してきていた。


青い顔をしたスズがあたしを見るなり駆け寄って来る。


「ちょっとアキコ、どういうつもり!?」


あたしの腕を痛いほど掴んで詰め寄って来るスズ。


「なにするの、痛いよスズ」


「やめなよスズ! アキコがなにしたっていうの!?」


サチがわざと大きな声でそう言うと、クラスメートたちの視線が集まって来る。


スズは慌ててあたしから手を離したけれど、もう遅かった。


「なにしてんのお前」


そう声をかけてきたのはA組で一番筋肉質な男子生徒だった。


「別に……」


スズが男子生徒から視線を逸らす。


「別にって、おかしいだろ今の」


「腕を掴んだだけだから」


「でも、すっごく痛かったよ?」


すかさずそう言うと、男子生徒はスズを睨み付けた。
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