友達イジメ
その時だった。


スズのスマホが鳴り響いた。


ホッとしたような表情を浮かべてスマホを確認するスズ。


「ちょっと、電話だから」


そう言って教室を出ようとするスズをサチが引き止めた。


「逃げるつもり?」


「そんなことしない。担当さんからの電話なの。出なくちゃ」


そう言ってスマホ画面を見せてくるスズ。


確かに、出版社からの電話みたいだ。


「それなら、ここで出てよ」


サチの言葉にスズは動きを止めて目を見開いた。


「ここで……?」


「そうだよ。変な事言わないか気になるじゃん。ねぇ、みんな?」


サチの言葉にクラスメートたちはヤジを飛ばすように賛同した。


高校生作家という夢のような肩書を持っているスズが相手だから、その転落を見て見たいと願う生徒も多いのかもしれない。
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