友達イジメ
「全部あたしのせいにしてる!」


そう叫ぶと、スズは慌てて電話を切ってしまった。


「おい、どういうことだよ」


「だって、それは本当のことだから!」


「ちょっと、アキコ泣いてんじゃん。盗作する上に友達泣かすの?」


サチがスズを睨み付けてそう言った。


「違う……あたしは盗作なんて……」


「スズの小説買うのやめようかなぁ? デビュー作も盗作なんじゃない?」


「そうだよね。友達泣かせても謝らないしさ」


「人の作品盗んで受賞してたなんて、最低……」


クラス内からスズを中傷する声が聞こえて来る。


あたしは手の隙間からスズの様子を確認していた。


泣いているなんて、当然嘘だった。


普段クラスカーストトップで威張っているスズは、どうすればいいかわからずに立ち尽くしている。


所詮、あたしやサチの後ろをついて回っていただけだ。


マキ殺しのときはちょっと驚いたけれど、大したことない。


「違う……あたしは盗作なんてしてない!」


スズはそう叫び、教室から逃げ出したのだった。

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