友達イジメ
それはスズが肌身離さず持っているネタ帳だ。


「机の中にあること知ってたの?」


「うん。あたしの席からはスズの様子がよく見えるの。授業中でもメモができるように最初は机の中にいれてて、移動する時にスカートのポケットに移動させてたんだよ」


サチとスズの机は近い場所にあるけれど、そんなところまで確認していたなんて知らなかった。


「もしかして、最初からスズをターゲットにするつもりだったの?」


そう聞くと、サチは肩をすくめて「スズの態度があまりにムカツいたら、やってやろうと思ってたよ」と、答えた。


「それでスズを観察してたんだ」


「まさか本当にイジメることになるとは思わなかったけど」


サチはそう言いながらメモ帳を確認した。


そこには乱雑な殴り書きがされていて、文字が読めないところも多い。


「こんなので小説が書けるの?」


眉間にシワを寄せてそう呟くサチ。
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