友達イジメ
☆☆☆

スズが教室へ戻って来たのは放課後になってからだった。


「ちょっとスズ、今までどこに言ってたの?」


心配するフリをして駆け寄ってみると、スズの目が赤く腫れていることに気が付いた。


どこかで泣いていたのだろう。


スズは返事をする前に教室内を見回した。


まだ、1人も返っていないことに違和感を覚えているに違いない。


「みんな、スズのことを心配して残ってくれてたんだよ?」


あたしはそう説明している間に、サチが教室のドアに鍵をかけた。


「別に、心配なんてしなくていいのに」


小さな声でそう言い、自分の席へと向かうスズ。


「そんな言い方ないんじゃないの?」


クラスメートが怒りを込めて声でそう言った。


スズは一旦そちらへ視線を向けるが、なにも言わずに鞄に教科書やノートを入れ始めた。
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