友達イジメ
そう思うと、のんびりしている余裕はなかった。


プロのサッカー選手を目指しているユウジは忙しくて、恋愛どころではない。


それはわかっているけれど、これだけファンがついているのだから万が一彼女ができてしまうという可能性もあった。


「ユウジ! 頑張ってね!」


ひときわ大きな声でそう言うと、ユウジがまたあたしを見て手を上げてくれた。


ファンの女の子たちがこちらをみてヒソヒソと噂話をしているのがわかる。


あたしはその子たちへ視線を投げかけた。


目があった瞬間、逸らされる。


ふんっ。


面と向かってはなにも言えないくせに。


あたしは内心そう思い、ユウジへと視線を戻したのだった。
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