友達イジメ
落下
それから数日間。


スズはネット上でも学校内でも盗作魔として後ろ指を指されるようになっていた。


デビュー作品の出版話は立ち消えて、これから先の出版予定もすべて保留になってしまったらしい。


カオリさんの呪いの力を持っていても、それを上手に使う事ができなければすぐに転落してしまうのだ。


「そろそろ、いいんじゃない?」


1人で机に突っ伏しているスズを見て、あたしはサチにそう言った。


ネットで炎上した日からスズはロクにご飯も食べていないようで、目に見えてやせ細ってきていた。


最近はネタを取る事も、小説を書く事もしていないようだ。


こんな状況じゃ落ち着いて執筆なんてできないんだろう。


「スズ、ちょっといい?」


放課後になり、あたしとサチはスズに声をかけた。


「え?」


「謝りたいから、来てほしいんだけど」


サチがそう言うと、スズはうつろな目をしたまま席を立ったのだった。

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