友達イジメ
そのまま校舎裏へと移動して来ると、スズはようやく事態を把握したようで「ここって……」と、呟いた。


デビューが消えてしまったことがよほどショックだったのか、今まで気が付かなかったみたいだ。


「スズが悪いんだよ? 作家になれたからって、偉そうな顔してるから」


サチがそう言い、スズの背中を押した。


スズが前のめりにつんのめってこけそうになりながら、どうにかその場に踏ん張っている。


「待ってよ。あたしたち友達じゃん!」


そう言いながらも、ウサギ小屋があった場所を見ないようにしているのがわかった。


「友達? そうだね、あんたがマキを殺したのに、あたしたち手伝わされたよね」


「それはっ……」


「あれはひどかったよね。死体を運んだんだもん」


あたしはサチの言葉に同意して言った。


「でも、結局カオリさんはちゃんと引き取ってくれたじゃん!」


「そうだよ。だからさぁ、このヒドイ友達のことを引き取ってくれないかなって、思ったんでしょ!?」
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