友達イジメ
休日と言いってもユウジには練習が待っている。


会うためには、あたしが練習場へ行くしかないのだ。


『ごめん。次も練習が入ってるんだ』


ユウジの申し訳なさそうな声に、一瞬胸が痛む。


ユウジを困らせたくない。


でも、このままじゃカオリさんの呪いが解けてしまうかもしれない。


「少しでいいから、会えないかな?」


『……ごめん』


あたしは下唇をかみしめた。


今はユウジにとって大切な時期だ。


試合後だって自主練があるし、反省会もある。


あたしに構っている時間がないのはわかっていた。


でも……。


「それって、付き合ってるって言える?」


つい、そんなことを言ってしまった。
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