友達イジメ
秋口の言葉に一瞬にして血の気が引いてくる。


『でも、お前なら心当たりがあるんじゃないか?』


「心当たりなんてなにも……」


そこまで言ってあたしは口を閉じた。


最近の出来事と言えば、学校でサチとの関係がぎくしゃくしていることくらいだった。


あたしを怨んでいそうな人間は、他には誰1人として残っていない。


でも、サチがそこまでのことをするだろうか?


あたしを殺したいと……?


……あるかもしれない。


あたしは次のターゲットをサチに決めている。


それはつまり……サチをイジメ殺すという意味だった。


サチは今お金を持っているから、それを使って彼らを雇った可能性もあった。


『どうした?』


「ううん、なんでもない。ありがとう」


あたしはそう言い、電話を切ったのだった。
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