友達イジメ
☆☆☆

「おはよう」


A組の教室へ入って真っ先にサチの机に向かい、そう言った。


サチはギクリとした表情を浮かべ、あたしから視線を外す。


「お、おはようアキコ」


その声も裏返ってしまっている。


これじゃ自分の仕業だと言っているようなものだった。


「昨日はどうもね、サチ」


「な、なんのこと?」


「あの男たち全然馴れてなかったから、あたしは完全な無傷だったよ」


「だ、だからなんの話? 全然わかんないんだけど」


そう言いながらも、サチの額には冷や汗が浮かんできていた。


あたしはスッと息を吸い込んで、思いっきり吐きだすと同時に言った。


「失敗したんだよ。あたしを殺そうとしたのに、残念だったね!?」


教室中に響き渡る声でそう言うと、あちこちからざわめきの声が聞こえて来た。
< 279 / 290 >

この作品をシェア

pagetop