友達イジメ
「昔死んだ女子生徒からすれば、イジメっ子は自分に友達をくれた人になるんだって。だから、願いを叶えに来るって言うの」


「もしリカコがウサギ小屋で自殺すれば、あたしたちの願いが叶うってこと?」


そう聞くと、サチが大きく頷いた。


「でも、叶えてもらえるのはイジメの主犯格1人だけなんだって」


主犯格1人……。


「あたしってこと?」


そう聞くとサチは焦ったようにスズと目を見交わせた。


あたしのことをイジメの主犯格だと言えば、怒られると思っているのだろう。


「大丈夫、怒らないから」


そう言うと、サチはホッとしたようにほほ笑んだ。


「噂が本当だとしたら、リカコをイジメていればあたしの願いが叶うってことだよね?」


「そうだよ。それってすごく簡単だよね?」


スズが目を輝かせてそう言って来た。


小説家志望ということもあって、こういう面白そうな話には目がないようだ。
< 30 / 290 >

この作品をシェア

pagetop