友達イジメ
「昔死んだ女子生徒の名前はカオリさんって言うらしいよ」


スズが追加というようにそう言った。


「カオリさんか……」


よくある名前だから、これも学校の七不思議みたいなものなのかもしれない。


「ねぇ、もし願いが1つ叶うならどうする?」


スズが興味津々にそう聞いて来た。


そんなの決まってる。


「ユウジと付き合いたい」


「やっぱりそうだよねぇ」


そう言ったのはサチだった。


サチの場合は大金を手にしたいとか、そういうものだろう。


でも、イジメの主犯格はあたしだ。


「今日の放課後、リカコを校舎裏へ呼んでみない?」


スズがそう聞いて来たので、あたしは教室後方へ視線を向けた。


いつの間に登校してきたのか、リカコはちゃんと席に座っていた。


昨日あれだけイジメたのに学校へ来るなんて、意外と図太い性格をしているのかもしれない。


しかし、あたしと軽く目があっただけで体を震わせている。


「いいかもね」


あたしはそう言い、ニヤリと笑ったのだった。
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