友達イジメ
「ここで何か見えない?」


そう聞くと、リカコは周囲を見回して「見えるって……なにが?」と、聞いて来た。


「イジメられっ子がここに来るとウサギ小屋が見えるんじゃなかったの?」


スズへ向けてそう聞くと、スズも首をかしげている。


やっぱり、噂はただの噂だったのかもしれない。


なにも起きないんじゃつまらない。


そう思った時だった。


「もしかして、イジメ足りないんじゃない?」


サチが思いついたようにそう言ったのだ。


「もっと激しくイジメれば見えるとかさぁ?」


そう言って、ニヤついた笑みを浮かべる。


その笑顔についつられてしまう。


「そうかもしれないねぇ?」


ちょうどひと気のない場所だし、このまま帰るのもつまらない。


少しいたぶってやってもいいかもしれない。
< 34 / 290 >

この作品をシェア

pagetop