友達イジメ
「あ、2人とも~」


校門近くまで来たとき、前方からA組の尾澤スズが駆け足で近づいて来た。


ショートカットで背の低いスズはあたしたちより年下に見える。


「おはよ~」


あたしはそう言ってスズが来るまでその場で待った。


「スズ、今日数学で当てられそうなんだけど教えてくれない?」


「うん、いいよ? でもあたしも数学はそんなに得意じゃないから、期待しないでね」


スズとも仲良しでいつもこの3人で行動しているのだけれど、スズは1人だけずば抜けて頭が良かった。


将来は小説家を目指しているらしく、あたしも何度か短編作品を読ませてもらったことがあった。


普段小説なんて読まないのだけれど、スズの書いた作品なら読んでみたいと思えた。


3人そろってA組へ入るとすでに登校してきたクラスメートたちが口々に挨拶をしてきてくれる。


この瞬間がたまらなく好きだった。
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