友達イジメ
☆☆☆

いつの間に眠っていたのか、気が付けば朝になっていた。


眠ったことで昨日の苛立ちは少しマシになっていて、大きく深呼吸をすると落ち着く事ができた。


問題は、自分たちのやったことがバレていないかどうかだった。


一応スマホを確認してみるが、誰からも連絡は来ていない。


サチとスズの2人も心配していると思うけれど、連絡がないということはまだなにもバレていない可能性が高い。


イジメがバレていれば、学校から連絡が来ていてもよさそうだし。


自分にそう言い聞かせながら学校へ行く準備をして部屋を出た。


いつもより30分も早い時間に、料理中の母親が目を丸くして驚いている。


「手伝うよ」


そう言って一緒に台所に立つと「熱でもあるの?」と、言われたくらいだ。


不安だから早起きしてしまったなんて、死んでも言わない。


それからいつもより20分ほど早く家を出た。
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