友達イジメ
☆☆☆
前髪がなくなったリカコは教室にいるだけでみんなの笑い者だった。
先生から心配されていたけれど、あたし達の前で本当のことなんて言うワケがない。
カットを失敗しましたと、消え入りそうな声で説明していた。
休憩時間、トイレから出て来ると偶然ユウジが歩いているのが視界に入った。
B組は次は移動教室のようで、手に教科書と筆記用具を持っている。
「あ、アキコちゃん」
ユウジがあたしを見つけて片手を上げて来る。
それだけで絵になっていて、あたしの胸はドキンッと跳ねた。
「ユ、ユウジ君。次は移動教室?」
「そうなんだよ。ねぇ、昨日見学来てなかったけど、なにかあった?」
その質問に、自分の体温が急上昇していくのを感じる。
ユウジはあたしがいないことに気が付いていてくれたんだ。
「ちょっと、用事があったから」
「そっか。また時間がある時には来てよ? アキコちゃんがいると、元気が出るんだ」
そう言うユウジは少し顔を赤らめている。
「え、それってどういう意味?」
そう訊ねたのに「やば。時間ないから、またね」ユウジはそう言って足早に行ってしまったのだった。
前髪がなくなったリカコは教室にいるだけでみんなの笑い者だった。
先生から心配されていたけれど、あたし達の前で本当のことなんて言うワケがない。
カットを失敗しましたと、消え入りそうな声で説明していた。
休憩時間、トイレから出て来ると偶然ユウジが歩いているのが視界に入った。
B組は次は移動教室のようで、手に教科書と筆記用具を持っている。
「あ、アキコちゃん」
ユウジがあたしを見つけて片手を上げて来る。
それだけで絵になっていて、あたしの胸はドキンッと跳ねた。
「ユ、ユウジ君。次は移動教室?」
「そうなんだよ。ねぇ、昨日見学来てなかったけど、なにかあった?」
その質問に、自分の体温が急上昇していくのを感じる。
ユウジはあたしがいないことに気が付いていてくれたんだ。
「ちょっと、用事があったから」
「そっか。また時間がある時には来てよ? アキコちゃんがいると、元気が出るんだ」
そう言うユウジは少し顔を赤らめている。
「え、それってどういう意味?」
そう訊ねたのに「やば。時間ないから、またね」ユウジはそう言って足早に行ってしまったのだった。