友達イジメ
☆☆☆

「それって絶対脈ありだよ」


スズがそう言い、あたしは「そうかなぁ」と呟いた。


昼休憩中、あたしたちはリカコを連れて旧校舎のトイレにやってきていた。


ここから人が来ないからリカコを思う存分イジメることができる。


眠ることができなかったサチからの提案だった。


「思い切って告白すればいいのに」


「でも、それでフラれたらもう見学にも行けなくなるじゃん」


ユウジとの関係は良好だと思う。


だけど、付き合う事ができるという確信がなければ、自分から告白することはできなかった。


「ちょっと、手伝ってよ!」


サチがリカコを無理矢理トイレの個室へ連れ込もうとしているが、1人ではうまくいかず悪戦苦闘している。


「はいはい。何する気?」


「こいつにトイレの水を飲ませてやろうと思って」


悪くない提案だった。


昨日はゴキブリで今日はトイレ水。
< 47 / 290 >

この作品をシェア

pagetop