友達イジメ
「コップをもって来たよ」


そう言ってサチが取り出したのは、いつもリカコが持参している水筒のキャップ部分だった。


「あはは! いつの間にそんなの取って来たの!?」


用意周到なサチにお腹をかかえて笑ってしまう。


今日はイジメる気満々みたいだ。


「やめて!」


「どうせだから写真でも撮っちゃおうか。口封じってやっぱり必要だよねぇ」


あたしはそう言って自分のスマホを取り出した。


トイレの水を飲んでいる現場を撮影しておけば、リカコはきっと逆らわなくなる。


イジメられているところなんて、きっと誰にも見られたくないだろうし。


「写真なんて、そんな……!」


そう言っているリカコの口に、サチがトイレの水をくんだキャップを近づけた。


油断していたリカコの口に水が入れられる。


「うっ……! ゴホッ!!」


「吐き出すなよ! もったいないな!」
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