友達イジメ
「あ、この雑誌今月号? あたしまだ買ってないの。読ませてくれない?」


あたしはそう言い、クラスメートが机の上に出して読んでいた雑誌を手に取った。


「あ、うん。もちろんいいよ!」


クラスメートは慌てて作り笑いを浮かべて頷いている。


「あれ? 本当はなんだかよくなさそう?」


「そ、そんなわけないじゃん! アキコちゃんが先に読んでいいよ!」


今アにもてゴネしてきそうなクラスメートに、笑い出してしまいそうになる。


このA組内であたしたち3人はカーストトップだ。


そんなあたしに立てつく生徒はどこにもいない。


「よかった。じゃ、明日返すね」


あたしはそう言い、雑誌を片手に自分の机へと向かったのだった。
< 5 / 290 >

この作品をシェア

pagetop