友達イジメ
「ねぇアキコ。この前新作を書いたんだけど、読んでくれない?」


雑誌を開こうとした時、スズがスマホ片手にそう声をかけて来た。


スズは基本スマホで小説を書いているから、読みたいときにいつでも読ませてくれる。


「いいの? またサイトに投稿するやつ?」


「うん。今度は心が入れ替わる系の話なの。また短編だからすぐに読めると思う」


そう言うスズはなんだか緊張して見える。


よほど頑張って書いたんだろう。


「へぇ、こういう系の話って色々あるけど、謎解きだから面白いね」


スズの書く作品はよくある設定が多いけれど、それを上手に料理している。


「ありがとう。実はこれを長編に書き直してコンテストに出そうと思ってるの」


その言葉にあたしは目を見開いてスズを見た。


だから緊張していたみたいだ。


「すごいじゃん! コンテストに参加するのって勇気いるよね」


「うん。でも、書いてるだけじゃやっぱりダメだと思って、今コンテスト情報を調べたりしてるの」


「そっか。面白かったし、いいと思うよ?」
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