友達イジメ
「そうだね。取ってきてもらおうか」


あたしがそう言った時だった。


「なぁ、ちょっとあんたたち」


そんな声が聞こえてきてあたしたちは振り向いた。


見ると、教室後方のドアからC組のヨシキが入って来るところだった。


ヨシキは険しい表情をしていて、真っ直ぐこちらへ向かってくる。


「なに? なんか用事?」


目の前までやってきたヨシキへ向けてそう聞いた。


「リカコから聞いた。前髪切ったの、あんたらだろ?」


その言葉にあたしはうつむいているリカコへ視線を向けた。


イジメられていることを自分から話すなんて思っていなかった。


きっと、被害者ぶって泣きながら相談でもしたんだろう。


内心舌打ちしながらも、あたしは笑顔でヨシキを見た。


「何言ってるのかわからないんだけど? あたしたちがそんなことするように見える?」


「あぁ、見えるよ」


キッパリと言い切るヨシキ。
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