友達イジメ
☆☆☆

「ちょっと、どういうつもり?」


ひと気のない廊下までリカコを連れ出し、あたしはそう言った。


リカコはうつむいて小さくなってしまっている。


「自分からヨシキに相談したの? あたし、イジメられてまぁすって?」


ふざけた口調でそう言うと、サチとスズが同時に笑い出した。


「やめてよねそういうこと。まるであたしたちが悪いみたいじゃん?」


「そうだよねぇ。あたしたちは友達のいないリカコと遊んであげてるだけなのに、なんでそんな風に言うの?」


「逆にあたしたちがイジメに遭ってるよねぇ? リカコなんかと一緒にいて、周りの友達みんないなくなっちゃったんだから!」


3人で攻め立てると、リカコの目に涙が浮かんできた。


いつも通り、弱弱しいリカコの姿だ。


ヨシキに相談したのは、ただの気の迷いだろう。


「あたし……なにもしてないじゃん!」


リカコが叫び、堰を切ったように泣き始めた。


その声があまりにも大きくて、慌てて口を塞ぐ。


「そのニキビ面が気に入らないからだよ」


あたしはリカコへ向けて冷たく言い放ったのだった。
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