友達イジメ
そう呟くと、スズが顔を上げた。


「カオリさんはイジメっ子にお礼をするって噂だから、イジメっ子を守るために死の原因を操るのかもしれない」


死の原因を操る……。


スズの言っていることは憶測に過ぎない。


非現実的すぎるし、そのままを鵜呑みにすることもできない。


だけど、現にリカコの死は事故が原因ということになっていた。


目撃者も多数いたようで、歩道を歩くリカコに自動車が突っ込んで行った事になっていた。


加害者となってしまった運転手は、前をよく見ていなかったと説明しているらしい。


「あたしが付けた傷も消えてたもんね……」


顔を切り裂き、気絶するまで殴りつけた。


しかし、その痕跡は跡形もなく消えていたのだ。


「やっぱり、カオリさんがあたしたちを守ってるんだよ」


スズが確信を持ったようにそう言った。


そうかもしれない。


「だとしたら、あたしの願いが叶う……?」


「きっとそうだよ!」


スズが興奮気味にそう言い、慌てて口をつぐんだ。
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