友達イジメ
お友達って……もしかしてリカコのこと!?


だとしたら、この人がカオリさん!?


髪が乱れて制服が汚れているのは、カオリさんがイジメられていた証なのかもしれない。


あたしはゴクリと唾を飲み込み、その容姿をマジマジと見つめた。


悲しみや苦しみが、カオリさんの体内からにじみ出ているように感じられて、寒気がした。


「あなたの願いは?」


もう1度そう質問されて、我に返った。


そうだ。


怯えている場合ではない。


カオリさんはあたしの願いを叶えるために、夢に出て来てくれたんだ。


「あ、あたしの夢は……ユウジの彼女になること!」


思いきって言ってしまった。


しかし、次の瞬間カオリさんは目の前から消えていなくなっていたのだった。
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