Love Eater Ⅲ
そんな回想にうっかり耽り、今まで六花としていた会話を忘れかけていたタイミング。
「……はっぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「っ……!?」
「僕とこいつが似てる?僕とこいつがっ!?きっしょっ!!その不良品の目玉くりぬいてホルマリン漬けにでもしてやろうかっ?」
「いや…別に容姿云々の話じゃねえぞっ?!もっとこう性質的なっ」
「きっしょっ!!僕とこんな奴を同じ目で見るとかっ…うわぁぁんっ!ソルトってば酷いっ!最低っ!!ど変態っ!!」
「てっめ…言いたい放題言いやがってっ!こんにゃろうがぁっ…」
「はいはいはいはい。死者を前にちょいと騒がしくしすぎじゃないかい?お二人さん?」
全くこの二人ときたら、どこまで空気読まずにバカップルを発揮するのか。
そんな感情を表情に、パンパンっと手を鳴らし制してきたのはお馴染みの百夜。
それまでは小屋の外で成り行きが過ぎるのを待っていたのだが、何やら途端ににぎやかになった空気には待ったをかけない訳にもいかないと踏み込んできたのだ。
一体何をしているのだと呆れた眼差しで物申せば、良識のあるソルトの方は「すまん」と呟き場を弁え直すのだが。
六花と言えば黙りはするものの、わざわざ『いーっ』っと子供のような挑発でソルトを煽って見せてくる。
それには『クソガキがっ』と、押し込めた苛立ちが再浮上しかけたソルトであったが、何か声を上げるより早く。
……ドサリッ。