Love Eater Ⅲ
「やほ~、りっくん。お加減はいかがかな?」
『……あのなぁ、』
「ん~?フフッ?どうしたぁ?」
『体の心配するくらいならアホを送り込むのやめてくんねえかなぁ?!回復どころか消耗して悪化するわっ!』
『あっ、酷ぉい!!せっかく看病しに来たきゃっわゆい彼女に向かって』
「ブッ…クックックッ…やってるねえ……」
ソルトが意識を失ってから早2週間ほど。
3日ほどの昏睡だろうという予想を多く上回り、ソルトが目覚めたのはつい先日の事である。
それには起き抜けに携帯の画面を見たソルトが「百夜ぁぁぁ!!」と怒号の連絡を入れたのは言うまでもないが。
それでも、その際に百夜に告げられた様々な報告には抱いていた憤りも一瞬で飛んでしまうことになったのだ。
『この度、愛娘の六花が政府より神父補佐の魔女として公認された事をご報告させてもらいますよ、リッカ神父』
誰がこの事態を予想できただろうか。
魔女を狩るべく存在する神父に、あろうことか魔女が補佐につくなんて前代未聞の話だろ!?と、ソルトでなくとも誰もが思う異例の話。
一体何がどういう話のどういう展開でそんなことになってしまったのか。