Love Eater Ⅲ
それでもギリギリで繋いだ意識でなんとか腹部を抑えて半身を起こすと、
「っ……殺す気かっ!!?」
「いやいや、寧ろ生死の境から引き戻してあげた勇者だけど?」
「だったら尚の事全力で労われよっ!?死の淵から回帰したばっかの重症人だろっ!?」
「色々と文句の多い重症人だねえ。寧ろ僕の方が色々満身創痍と言いたいとこなんだけど?」
「そういや…何でまた子供サイズに。……ってか、何で俺はこんなピンピンして…」
確かに撃たれて、更には致命傷であったからこそのあんな臨死体験で。
いくら魔混じりで耐久も回復も早いと言っても、こんな風に全くの痛みも無いなんてあり得ない。
そんな疑問を抱きながら患部である筈の胸を撫で視線も下ろしてみたのだが。
「っ…なん…なんじゃこりゃあぁぁぁ!?何でこんなズタボロなっ…、俺撃たれたのって一発…」
「ああ、リッくんがぶっ倒れた後更に時雨に操られた六花に数発撃ち込まれてたからねえ」
「なっ……あんの似非人畜無害ロリコン男がぁぁぁ!!六花になんてことさせやがるっ!!」
「あっ、そっち?自分が撃たれた憤りとかじゃないんだ?」
「傷なんか死んでなきゃ治るだろっ!」
「いや、だから死にかけてたんじゃない、リッくん」
傷は無くとも衣服は惨状。
それに対しての第一声というか、真っ先にソルトが優先した感情すら六花に対してのもの。