Love Eater Ⅲ


姿こそは六花そのものと言える程の類似であるのに。

言葉を交わす程に別人なのだとごく自然に認識させられてしまうのだ。

なんて情も無さげに。と、一見だけでは感じてしまいそうな花鳥の姿ではあるのだが。

どうやらソルトからしたらそうは感じられなかったらしい。

「……与え『られ』なかった。…だろ」

「………」

「『出来たのに与えなかった』と『する事が不可能だった』を一緒に括んな」

「………」

「身勝手も『望む』ままにが適切」

「あと、その嘘くさい上っ面の仰々しさをやめろ」

「………」

「それに、産み落としただけで母親じゃない?未練たっぷりな幽霊紛いに六花を見守ってた奴がよく言うよ。望んで育んだだけで充分に与えてるし母親だろうがっ!母親を名乗るのに資格もくそもあるかってんだ、バーカ!」

悲観や自虐なんてなんのその。

やはり、ソルトはソルト。

花鳥を逆に諭す様にこれでもかとソルト節を炸裂させてくる。

それでも、六花にする様にわしゃわしゃと花鳥の頭を撫でくってしまったのはソルトも想定外。

流石に最後のそれは勢いによる無意識の内で、ソルト自身撫でた直後に我に返ったものなのだ。

当然、内心…。

やっちまったぁぁぁ!!!

思いっきり六花にするみたく雑に撫でくっちまった!!

見た目こんなだけど年上の女性にっ!

なんなら自分の恋人の母親にっ!!

あれ?これ六花さん的に大丈夫の範疇?

自分以外の全てが対象みたいな六花さんの執着な嫉妬の範疇外?!

……いや、範疇だろぉっ。

だって六花だもん!!

で、ある。

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